さて、今日は校長先生が夏休み中に、きりのはのみんなと日光に行っている時のお話をします。
学園に到着して、宿舎の玄関で打ち合わせをしていた時のことです。玄関の中で、透明な羽をもつ美しいセミがおり、バタバタと飛び回ったり、壁にぶつかったりしていてかわいそうでした。だんだん動きが鈍くなり、疲れているようでした。夜はセミは活動しませんので、間違えて入ってきてしまったのでしょう。
その時、一緒に来ていたほかの学校のお友達が、そのセミに気づきました。その子はセミを見つけると、「あ!」と足を止めました。でも、すぐには触われません。勢いも激しく、時々ジジジと鳴くセミはちょっと怖かったのです。その子は、しばらくセミを追いかけていました。でも、おっかなびっくりで捕まえようとするので、なかなか触ることができません。
男の子はきょろきょろとあたりを見回して、自分のかぶっていた帽子に気づきました。帽子を脱ぎ、床を歩いていたセミにかぶせると、そのまま捕まえて玄関の外に逃がしてやりました。セミは、暗闇の中に飛んでいきました。セミは自分の家に戻ってから、逃がしてくれてありがとうとお礼を言っていたことでしょう。
校長先生は、その様子を見ていて、おもわずうれしくなりました。その男の子は、ちょっと怖いなという自分の苦手な気持ちに負けず、「助けてあげたい」という優しい心で、勇気をもって行動ができました。
今日から、夏休み明けの学校生活が始まります。 みなさんの中には、「新しい勉強、難しそうだな」「行事の準備、大変そうだな」と、少し不安や苦手意識を感じている人もいるかもしれません。でも、最初から完璧にできなくていいのです。あの男の子がセミを逃がしてあげたように、自分にできる方法で、まずはチャレンジしてみてください。先生たちも、友達も、みんながその一歩を応援しています。
まずは体を学校のリズムに少しずつ慣らしながら、友達と一緒に、笑顔で進んでいきましょう。